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2011年09月13日

マルチスクリーン時代は「やだね!」が仕事になる

みなさん江口@アムステルダムです。
いまわたしは、IBCという国際放送機器展に来ています。

ご存知でない方もいらっしゃるかも知れませんが、わたしはデジタルサイネージが専門ではなく、元々は放送系なのでこういう展示会にはよく参加します。今回のIBCでの目的は「マルチスクリーン」です。

マルチスクリーン時代になるとはどういうことなのでしょうか。

 スマートフォン
 タブレット
 パソコン
 スマートテレビ

といったスクリーンが生活動線上の様々な場面で利用されるようになるわけです。これらは共通のCMS(Contents Manegement System)でコントロールされます。CMSには追加の概念としてAMS(Application Manegament Sysytem) といったものが付加されるはずです。もちろんマルチスクリーン対応のオーサリングやエンコーディングツールが必須です。
なお、ここIBCの会場では「マルチデバイス」とか「マルチディスプレイ」とは呼ばないようです。マルチデバイスだと機器の話になってしまい、ディスプレイもハードウエアっぽいニュアンスなんだそうで、スクリーンというのがいちばん人が主体という意味合いが強いからなんだそうです。

そんなマルチスクリーンの中にデジタルサイネージも含まれるわけです。いわばスマートサイネージといったら分かりやすいかも知れません。

スマートというのは賢いという意味です。しかしスマートサイネージはハードウエアやシステム的に多機能という意味では決してありません。先ほど示した他のスクリーンメディア群と密接に連動しあってること。ここがスマートでなければなりません。

おそらくたった今書いた「ここ」というのがお読みの皆さんには最も分かりにくいと思います。

これについてIBC会場で思ったことをまとめてみましょう。なおここオランダに来る前にベルリンに立ち寄ってIFAという家電ショーも見てきました。こちらはコンシューマベースでのマルチスクリーン利用が数多く提案されていました。というよりは全部その話でしたといって過言はありません。

マルチスクリーン時代になると、先ほど挙げた機器類はたとえばAndroidのような無料のOSで動作します。OSが制約されると逆にハードウエアも同時に制約を受け、かつ価格競争に陥ります。つまりGoogleもメーカーも誰も儲からないという構造です。

しかし、こうしたマルチスクリーンにコンテンツを出したいとか、企業が生活者とコミュニケーションをしたい、というニーズは明確に存在します。なぜならマルチスクリーン化によって従来のマスコミュニケーションよりも密接なコミュニケーションが期待できるからです。マスコミュニケーション時代は送り手もそのチャネルも受けても限定されたパターンしかないのでコミュニケーション設計は今から思えば比較的容易でした。
ところがマルチスクリーンになるとコミュニケーションパターンはこれまでの3乗倍から4乗倍に増加します。だからきめ細かいのですがとても大変な作業になります。

そこで登場するのがこれら面倒くさい作業を代行してくれる人。これが実は代理店です。あるいは代理店機能です。これまで電通や博報堂が担ってたのと同じことを、すごく小さい単位で膨大な量を処理することのできる新しい広告代理店のような存在が必要となります。

ビジネスで成功するにはニーズがなければ成立しません。ここで見落としがちなのはニースというのは顧客の「いいね!」に答えるものもあるけど。「やだね!」を解決することも同じくらい重要です。むしろ後者の方がリアルなお金は早く動きます。

さあ、マルチスクリーン時代の「やだね!」を捜しましょう。


デジタルメディアコンサルタント
江口 靖二

投稿者:江口at 09:44| 江口靖二の是々非々サイネージ