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2011年09月26日

デジタルサイネージのメディア特性

さて、前回は予定を変更してマルチスクリーンの話を書いたので今回は元々の予告通り
デジタルサイネージ=時間×場所=状況の話をしたい。

 デジタルサイネージはディスプレイを用いて何らかの情報を表示するものである。以前は最後のところを「もの」であるではなくて、「メディア」であると書いていたが、メディアと書くとどうしてもテレビなどのマスメディアをイメージしやすく、広告利用だけのイメージになるので最近は言わないようにしている。しかしながらそのメディア特性を考えたときに、既存のものと比較して明らかな違いがあり、それはデジタルサイネージを売るにせよ買うにせよ使うにせよ、極めて重要なことなので今回はこの点についてお話しておきたい。

この表を見ていただきたい。

比較表\\


 

テレビ、看板やネオンサイン、ポスターなどとデジタルサイネージを時間という概念と場所という概念で比較してみたものである。テレビは番組表、番組編成によって時間ごとに番組が変化する。しかしそれがどこで見られているかを把握することは困難または非常にコストがかかる。一方の看板、ポスターは時間ごとに内容を変化させるのは設置工事や掲出作業の関係で不可能だが、必ずその場所がはっきりしている。

 ではデジタルサイネージはどうかというと、もうお分かりの通り、15秒おきに内容を差し替えることもできるし、その設置場所もわかっている。すなわち時間と場所の両方を制御することが可能な唯一のメディアということになる。他のメディアを見ても、新聞や雑誌は時間も場所も制御できない。WEBはテレビと同じで場所が特定できない。

 ではこの時間と場所を制御できることとはどういうことなのか。時間と場所。同じ場所でも時間によってそこにいる人々の属性は変化し、人々のおかれている状況も時間によって変化する。そうなのだ、時間と場所によって人の「状況」が刻々と変化するのである。
つまり

時間×場所=状況

なのである

たとえば渋谷という場所に注目する。
早朝、一晩中遊んでいた若者が疲れた顔をして始発電車に向う。
朝、サラリーマンが駅から続々と吐き出されてくる。
昼、主婦層などを中心に様々な人が仕事や買い物でやってくる。
夕方、学校帰りの学生で街は活気づく。
夜、サラリーマンも加わって夜の街に向う。
深夜、終電を逃さぬように、朝のラッシュ並に駅周辺はごった返す。
という繰り返しだ。これは場所を固定した場合。

あるいは特定の人に注目すると、学校や職場、買い物などで様々な場所を移動しているのだろう。こうした生活シーンの中に入り込むデジタルサイネージは、時間×場所=状況に応じてその利用形態やコンテンツが変化するべきなのである。そしてこの特性を利用しきれていないものは、デジタルサイネージを利用する必要がないのでは無いかとまずは疑ったみるべきである。


デジタルメディアコンサルタント
江口 靖二

投稿者:江口at 09:45| 江口靖二の是々非々サイネージ