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2012年03月26日

銀座にデジタルサイネージが集中する理由

 先日このコラムでも、ニューヨークのユニクロの紹介をしたが、3月16日に銀座にも同様のグローバル旗艦店がオープンした。オープン当日たまたま付近にいたので行ってみたところあまりの大行列、1時間待ちで断念したが、数日前にどうにか潜入することができた。

 基本的にはニューヨーク店と同じく紙のポスターの類は一切ない。ディスプレイの数はおよそ200面ということだ。ただ元々の構造物(ビル)の空間構成がニューヨークほど面白く無いというか、ごく普通の階層とエスカレーター配置のため、ニューヨーク店ほどの立体的な効果を感じにくい。それにしてもいま日本で一番ディスプレイを効果的に使っている商業施設であるのは間違いないので関係者は必ず行くべきである。

 またほぼ同じ時期に、ソフトバンクのやはり旗艦店が同じ銀座にオープンした。こちらもエントランスと店内にマルチディスプレイを効果的に利用している。これも単に店舗内のディスプレイだけではなく、既存の他の媒体との連動の結果、効果的に演出されているということも重要だ。いきなりお店に犬がいても何のことだかわからないだろう。

 他にも銀座はサイネージの宝庫である。アップルストアはもちろん、シャネルやエルメスといった高級ブランドもディスプレイを使っていないところのほうがむしろ珍しい。この傾向はここ1、2年で非常に顕著である。正確な数は把握できないが、銀座だけで100店舗以上に1000面以上はあるような気がする。

 こうした背景には、複数の要因があると思う。ユニクロやソフトバンクのような例は、マーケティング的アプローチが先行している例で、テレビ、WEB、スマホアプリ、チラシなどをトータルに設計している典型例である。いわばコミュニケーションデザインのゴールとしての店舗という位置づけで、最後(店舗)まで顧客とのコンタクトを継続でしているというわけである。そしてこれはゴールと言うよりは再び循環する。

 また各ブランドの場合は、空間演出にディスプレイを効果的に使おうというもの。こうした動きは10年くらい前にプラズマディスプレイのようなフラットパネルディスプレイを天井から吊り下げるのがブームになった時期があったが、どちらかと言うと内装の流行の一貫としてのディスプレイ利用である。最近はこうしたフラットパネルも安くなってきたので複数台をつかうことでより表現力を高めるといった傾向にある。複数パネルを使った映像演出がこれからの鍵だろう。
 こちらはきちんとしたコミュニケーション設計が施されているとは限らないので、ブームで終わる可能性が高い。

デジタルメディアコンサルタント
江口 靖二

投稿者:江口at 11:17| 江口靖二の是々非々サイネージ