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2012年06月25日

DSJ2012直後に思うこと

 3日間の展示会が無事終了した。来場された方は13万2866名で昨年よりも4738名多くの方に来ていただいた。ほんとうに有難い。

 しかし、来場者の方々、出店者の方々はどれくらい満足していたり、成果があったと思っているのだろうか。わたしはと言えば、あれこれ思うところが多い。これは今年のDSJに問題があったという意味では全くない。このまま継続しているだけではすぐに陰りが見えてくるということをいち早く察したということである。なので変革を行えばいい。

 まずこれは差別でも驕りでもなんでもなく、この領域に関わるすべての人達の幅が広がったということだ。様々な立場、業界の人が参加していると同時に、先頭集団とのあいだにかなり差ができているのも改めて感じた。これは繰り返すが良いことである。何の業界であっても、幅広いマーケット領域、すなわちハイエンドからローエンドまでが大きければ大きいほど、その業界の市場は大きいことを表す。車にしてもみんながフェラーリやメルセデスが欲しいわけでも買えるわけでもないし、ファッションにしても上から下までさまざまだ。例えばユニクロのようにマス広告などによるブランディングでは新しさや機能性を歌いながらも、実の刈り取りはチラシでベタベタの展開をし、最大の市場を取るという戦略から、超高級ブランドに至るまで様々なポジショニングでビジネスをしているということだ。この衣服というカテゴリーは、非常に市場規模も大きくて多様性がある。

 ではディスプレイを使った映像コミュニケーションはどうだろう。JEKIのようなモデルから、個人商店が誰の力も借りずに5000円くらいのフォトフレームでケータイで撮った写真をマイクロSDから直出ししてるものまで様々だ。だがこれは主にハードウエアやシステム系にかかるコストの差であって、コミュニケーション視点では「広告」と「販促」の単体機能でしかない。ここが問題なのだ。

 こうした単体機能の競争では、基本的に「場所」、あるいは「場所を確保できる金」を持っている者が勝つに決まっている。これはロケーションメディアの真理であって絶対に揺るがない。しかし単体機能でないとすれば話は変わる。
 他のメディアや他の目的が存在していれば、または導入による価値をどこに設定するかによって競争の視点は変わるのだ。

 こういう視点で見ると、あるいはDSJを見る限り、差が開いた=市場が大きくなったのは確実である。問題はこうした状況に展示会なり、業界団体なり、わたくし個人がどう貢献できるのかというのが個人的関心事である。わたしはむしろ放送関連の仕事のほうが多いので、ディスプレイを用いたスクリーンメディア自体がどうなるかということは関心や業務の主軸ではない。だがこんなことを考えている関係者が他にも多くいるわけでもない。

 具体的には、業界リーダーであるDSJの主要出展者にヒアリングをしてみようと思う。いや、すでに会期中から様々な声を聞いているので、これを集約する。また基調講演が不入りであった事実を分析する必要がある。期待するほど業界関係者はコミュニケーションやマーケティング視点がないか、わからないのだと思う。きっと本稿の読者もそうかもしれないし、本稿の意味がわからないか実感できないに違いない。重ねて言うが自慢話ではない。関係者が全員幸せになれないのには、先駆者側にも大きな原因と責任がある。ではどうすればいいのか。ここが重要だ。本当に世の中に広く浸透するためにはこの壁を超えなければならない。策はあるので、しばらくはその確認をしていきたいと思っている。


デジタルメディアコンサルタント
江口 靖二

 

投稿者:江口at 09:28| 江口靖二の是々非々サイネージ