オフィスサイネージの導入事例

東京電力ホールディングス株式会社様

  • オフィス内
  • デジサインSTB4
  • 情報共有/ビジョン共有

▲写真左:東京電力ホールディングス株式会社 渉外・広報ユニット ソーシャル・コミュニケーション室 小林洋平氏/写真右:東京電力ホールディングス株式会社 福島第一原子力発電所 所長付 本多弘和氏

安心・安全、日々の作業を確実に。メディア先行で偏りがちな情報をサイネージで丁寧に補足。

福島第一原子力発電所の廃炉事業に関わる協力企業・作業員向けの情報提供にサイネージを活用されている様子を現場の視察、運用ご担当者インタビューを通じて取材しました。

東京電力ホールディングス株式会社

東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
代表取締役社長 小早川 智明
設立年月日:1951年5月1日
資本金:1兆4,009億円
従業員数:42,060人(2016年度末)※従業員数は連結子会社の人数を含む。

導入の背景

2014年にIAEA国際原子力機関より作業員とのコミュニケーションを充実させるようにとの助言を受け、廃炉事業の進捗状況やメディア報道内容への補足説明等を作業員のニーズを踏まえ作業の動線に合わせてタイムリーに発信する方法を検討した結果、オフィスサイネージによる情報共有を行うことになりました。

同時期に経済産業省主催の「廃炉・汚染水対策福島評議会」においても作業員との間にコミュニケーション上の問題があるとの指摘を受けたことも検討を加速する追い風になったということです。

 

発電所内の作業ではPCや携帯電話/スマートフォンを持ち込む環境ではなく、6,000人(ピーク時は7,000人超)もの全作業員へ情報を周知するのは至難の業。メディア先行で偏りがちな、特に安全に関する正確な情報提供にサイネージが活躍しています。

福島第一では3.11事故の影響により事務本館など構内のほとんどの施設が被害を受けました。デジサインを導入するにあたり、通信・電源環境を含め被害を受けたインフラの再整備が課題となりました。福島第一構内の復旧状況や新たな建物・施設の建設状況を関係者で密に共有し、かつ作業員の動線を考慮して、どの場所に優先的にデジサインを配置するか、調整に苦労したことを覚えています。(小林氏)

当初はスピード感を重視、レンタルサービスを活用してデジサインを導入、その後STB機器を追加購入し、現在では構内で計11台が稼働中です。(本多氏)

導入後の運営方法や役割分担も課題でした。配信するコンテンツの制作や更新については広報部門、安全部門、総務部門など多くの部署が関わることから事前にルールや手順書を作り、円滑に運営をスタート出来るよう工夫しました。

サイネージで流す情報の鮮度が重要なため所長メッセージや視察者の声などはタイムリーに更新できるよう社内の情報共有基盤整備にも務めているといいます。(小林氏)

▲動線を活かした配置

日々改善される構内安全の情報をタイムリーかつ的確に伝達

構内に救急医療設備が整備された、緊急搬送のためのヘリポートが完成した、などの作業員のために日々改善される構内安全対策の情報を分かりやすいイラストなどを交えてサイネージへ表示し、周知を図っています。管理区域でのガム噛みなどの飲食は、放射性物質の摂取につながるということも6,000名もの作業員の中には意外と知らない方が多いと分かり、すぐさまサイネージへ表示することにしたということです。また構内の電球で感電事故が起きた際にもその日のうちにイラスト付きで注意を促すなど、情報を即座に伝えることができるようになりました。

デジサインの利便性

新しいコンテンツの配信や編集などがパソコン上で操作しやすく、初めて扱う社員でも社内勉強会で使い方を一度レクチャーすれば、ほぼ皆が問題無く操作できています。マニュアル類も充実していて、困った時もマニュアルに沿って対応すれば解決できていると思います。デジサインは専用の管理ソフトをインストールする必要がなく、社員のどのPCからもブラウザを通じて管理画面へのアクセスが可能なため、更新タイミングを逃さず最新情報を表示することができています。(本多氏)

  • ▲構内各所に設置された線量計
  • ▲線量によりエリア安全性を色分け
  • ▲写真を多用して分かりやすい表現に
構内の各所で計測する線量計が作業員の安心・安全へ貢献しています。線量により立ち入り時の安全対策が異なり、また、構内の線量低減につれて日々改善される作業環境を分かりやすく色分けされた(緑・黄・赤)標識で伝えていますが、色分けの意味・定義や設置ルールなどをサイネージで分かりやすく伝達しています。防護服着用が義務付けられる赤色標識のエリアについては、構内作業環境改善に伴い大幅に縮小して来ており、エリア変更の都度、ゾーンマップで分かりやすく作業員向けに発信しています。

導入の効果

「情報発信の即時性」に尽きます。勿論、デジサインだけでなく紙媒体や会議体等で情報を共有することは重要です。ただ、サイネージの即時性で、知らないことで起きる連鎖事故といったものを少しでも防ぐことができますし、昨年構内にオープンしたコンビニエンス・ストアや作業員とご家族向けに開設したウェブサイト等、お知らせしたい情報を即座に伝達できるようになり、サイネージ導入の効果を肌で感じています。(本多氏)オフィスサイネージを導入したことで、会社が直面するコミュニケーション上の課題を解決するという観点で、福島第一の廃炉事業推進に大きく貢献していると考えております。(小林氏)